名言で学ぶフランス語、今回はフランスの作家サン=テグジュペリの名作『星の王子さま(原題:Le Petit Prince)』に登場する名言です。
今回の名言:『たいせつなことは目に見えない』~星の王子さま~
On ne voit bien qu’avec le cœur. L’essentiel est invisible pour les yeux.
Le Petit Prince
これは物語に登場するキツネが王子さまに言った言葉です。
どのようなメッセージが込められているのでしょうか。今回は、こちらの名言を簡単な解説付きで紹介します。
On ne voit bien qu’avec le cœur.
(オヌ ヴォワ ビヤン クァヴェック ル クール)
on = 人は
ここで使われている on(オン)は一般的な「人」を表します。英語の one にあたる単語ですね。
ne … que ~ = ~ しか … ない
ne(ヌ)は、そのあとの qu’(ク)とセットになっています。ne … que ~ で、「~ しか … ない」という意味です。
今回の文では … のところに「見る」を意味する voit(ヴォワ)が来ているので(ne voit que ~)、「~ しか見えない」という訳に。
なお、qu’ は que のカタチが変わったものです。que のあとに母音(a)がつづいているので、e が消えて qu’ というカタチになっています。
bien = よく
bien(ビヤン)は英語の well にあたる単語で、「よく」という意味です。
つまり、On ne voit bien que ~ で「~ しかよく見えない」という意味ですね。
avec = ~で
avec(アヴェック)は英語の with にあたる単語です。今回の文では「~で」という訳がぴったりです。
cœur = 心、ハート
(le) cœur(クール)は「心」を意味する単語です。英語の (the) heart ということですね。
avec le cœur(= with the heart)で「心で」という訳になります。
まとめ:On ne voit bien qu’avec le cœur.
これまでの内容を全部つなげて直訳すると、こんな感じになります。
ー On ne voit bien qu’avec le cœur.「人は心でしかよく見えないんだよ。」
L’essentiel est invisible pour les yeux.
(レサンスィエル エ タンヴィズィブル プール レ ズィユ)
essentiel = たいせつなこと
(l’) essentiel(エサンスィエル)は「たいせつなこと」という意味です。
est は英語の is にあたる単語。つまり、L’essentiel est(= The essential is)で「たいせつなことは」という訳になります。
invisible = 見えない
invisible は「見えない」という意味です。英語とスペルも意味も全く同じですね。
ただしフランス語の発音は、“アン” ヴィズィブルになるのでご注意を。
pour = 〜で、~に
pour(プール)は英語の for や to にあたる単語です。
今回の文では to「〜で」「~に」のほうが文脈に合いますね。
yeux = 目
(les) yeux(イユ)は「目」という意味です。英語でいう (the) eyes ということですね。
pour les yeux(= to the eyes)で「目で」「目に」という訳になります。
まとめ:L’essentiel est invisible pour les yeux.
これまでの内容を全部つなげて直訳すると、こんな感じになります。
ー L’essentiel est invisible pour les yeux.「たいせつなことは目に見えないんだよ。」
ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。
星の王子さま
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