なぜ「若者はハングリーさが足りない」と言われるのか。モチベーションの話

「若手社員はハングリーさが足りない」と感じている上司、上司の働きっぷりに「何となく違和感を感じる」部下。

なぜこのような “感覚のズレ” が生まれるのでしょうか。今回のテーマは、仕事 × モチベーション。

あなたの仕事に対するモチベーションは何ですか?

人を動かす3つのモチベーション

『モチベーション3.0(ダニエル・ピンク著)』によると、人間を行動に駆り立てるものとして、3つのモチベーションがあるといいます。

  • 生き残るために行動する「モチベーション1.0」
  • 報酬を得るために行動する「モチベーション2.0」
  • 満足感を得るために行動する「モチベーション3.0」

これらのモチベーションを、仕事に対するモチベーションに当てはめるとどうでしょうか。

あなたやあなたの周りの人が、何をモチベーションに仕事をしているのかが見えてきます。

「モチベーション1.0」は、空腹を満たしたり、生殖など生存本能に基づくものなので、ほかの2つ「モチベーション2.0」と「モチベーション3.0」に当てはめます。

お金や地位を手に入れるために仕事をする

「モチベーション2.0」の主な動機づけは、外的な報酬です。

活動によって生まれる満足感よりも、その活動によって得られる報酬と結びついているというもの。

高度成長期からバブル崩壊までの日本の多くのサラリーマンを駆り立てていたものは、この「モチベーション2.0」なのではないでしょうか。

  • 出世したい
  • お金を稼ぎたい
  • 立派な家を建てたい
  • いい車に乗りたい
  • 美味しいものを食べたい

「ないものをいかに埋める」か。それが最大のモチベーションであり、そのためなら残業や接待、飲み会だって乗り切れる。

高度成長期には、働けば働くほど売上も給料も上がり、会社の成長とともに社会全体が豊かになっていくのを実感できた。

そんな時代にぴったりとハマり、多くの人々を動かしていたのが「モチベーション2.0」です。

今の時代でも、多くの会社が報酬をベースにした「モチベーション2.0」によって社員を動かし、多くの人がお金や地位を手に入れるために仕事をしているのではないでしょうか。

満足感を手に入れるために仕事をする

「モチベーション3.0」の主な動機づけは、活動における自主性や、やりがい、目的です。

活動によって得られる外的な報酬よりも、むしろ活動そのものから生じる満足感と結びついているというもの。

  • お金を稼ぐためだけに働きたくない
  • 自分の能力を生かせる仕事をしたい
  • やりがいのある仕事をしたい
  • 世の中のためになる仕事をしたい

ミレニアル世代* には、報酬をベースにした「モチベーション2.0」ではなく、この「モチベーション3.0」によって動かされるという人も多いのではないでしょうか。

なぜなら、生まれた頃にはすでに何もかもが揃っていて「ないものがない」から。なので、「ないものを埋める」ということがそもそもモチベーションになり得ないことがあるのです。

そんな人たちにとって大事なことは、その仕事で「いくら稼げるか」よりも、その仕事に対して「がんばる意味が持てるか」。

だから、「意味が持てない」残業や付き合いの飲み会には乗り気がしないことも。

最近では、大企業よりもあえてベンチャー企業に就職して、「自分の能力を試したい」「新サービスの立ち上げに携わりたい」という人も増えてきているといいます。

安定やお金よりも、意味合いを求める。このような人たちを動かしているのが「モチベーション3.0」なのです。

*ミレニアル世代:1980年代以降に生まれ、2000年代に成人を迎えた世代

人にはそれぞれ異なるモチベーションがある

大切なのは、「どちらが良いか悪いか」ではなく、仕事に対するモチベーションには人それぞれ「違いがある」ということ。

違いがあるということを理解していないと、「モチベーション2.0」の人は「3.0」の人に対して、「何を考えているのかよく分からない」とか「ハングリーさが足りない」と感じるでしょうし、逆に「3.0」の人は「2.0」の人に対して「何か違和感を感じる」なんてことも。

「モチベーション2.0」の人のやる気を引き出すためには、従来通りの業績ボーナスやインセンティブが有効かもしれません。

でも、自主性や目的を軸とする「モチベーション3.0」の人を動かすためには?

社員の「自主性」を活かすグーグルの20%ルール

社員の「モチベーション3.0」を引き出すことに成功している会社のひとつがグーグルです。

グーグルには、業務時間の20%を自分の好きなプロジェクトに当てることができる「20%ルール」というものがあります。

「こんなサービスをつくってみたい」というアイデアを好きなメンバーと一緒にカタチにしていく。

Gメールやグーグルニュースを含む多くの革新的なサービスが、この「20%ルール」から生み出されているのだといいます。


あなたの周りの人は「モチベーション2.0」ですか?それとも「3.0」ですか?

あなた自身の仕事に対するモチベーションは、そのどちらですか?

参考書籍